天赦日の意味や過ごし方、凶日と重なったときは??

天赦日(てんしゃにち、てんしゃび)Heavenly day

天赦日について

古くから日本の暦には暮らしに役立つ情報が歴注が書かれていました。

歴注には上中下段と3段に情報が分かれています。

上段には日付・曜日・二十四節気(立春など)、七十二候などの科学的・天文学的な事項や年中行事が書かれ、中段には十二直(最近はあまり使用されなくなりました)、下段には選日(一粒万倍日など)・二十八宿・九星・暦注下段などの事項が書かれています。

天赦日は「暦注下段(れきちゅうげだん)」に含まれます。暦によっては行事の欄に書かれているものもあります。
歴中下段の「七箇の善日」と呼ばれる7つの吉日、『天赦日、神吉日、大明日、鬼宿日、天恩日、母倉日、月徳日』があげられますが、その
暦注下段に書かれる吉凶で最も縁起が良いとされる最上の大吉日が天赦日です。暦には「天しや」と書かれます。

○天赦日の選日法は以下の通りです。年5~6回の貴重な吉日です。
春:立春~立夏前日までの戊寅の日
夏:立夏~立秋前日までの甲午の日
秋:立秋~立冬前日までの戊申の日
冬:立冬~立春前日までの甲子の日
※申子の日は六十干支の最初。五行説でも「木水」の組み合わせで相生、そのためおめでたい日とされています。この日に祭り(甲子祭)をするなどの風習があります。そのため、毎年1月の天赦日(立冬~立春までの甲子の日)はW吉日です。

天赦日はHeavenly dayと英訳されます。Heavenlyは天の、天空の、天国の(ような)、こうごうしい、天来の、絶妙な、すばらしい、すてきなという形容詞です。

天赦日の意味

天赦日は、百神が天に昇り、天が万物の罪を赦(ゆる)す日とされ、最上の大吉日であるといわれています。

「万(よろづ)よし」とも注記され、あらゆる障害が取り除かれる日とされています。このことから今まで躊躇していたこと、新しいことを始めるには最適の日とされているのです。

また、万物の罪を赦すといっても、何をしても良いということではありません。最上の大吉日であるからこそ、そのチャンスを最大に生かす行いを心がけ、未来へ繋がる運気を呼び込みたいですね。

大吉や一粒万倍日などの吉日と重なると天赦日の効果が倍増するといわれます。(当サイトでも複合する吉日をリストに挙げています。)

逆に凶日と重なると…二つの解釈があります。

凶日の縁起の悪さを強めてしまうという考えがある一方、凶日の縁起の悪さを打ち消す、または半減するという考え方もあります。

そもそも、吉日凶日を決定する起源が異なるため、暦上にこのような真逆なことも起こりますしどちらが正しいとはいえないものです。縁起を担ぐという意味では、ご自身が腑に落ちる考え方に沿っていただくのがよろしいかと思います。

私は、極端な言い方になりますが、必要以上に凶日を恐れる事はないと思っています。

不成就日も過去には「迷信的」ということで、何度も暦から削除されたことがあるそうです。暦作成が朝廷や幕府の手を離れ、民間で行われるようになってから復活してきたものです。

消し去る事はない風習としても、凶日に左右されて何もできない…というのもおかしなことになってしまいます。

凶日として派手な事、大きな事は控える、ゲン担ぎとしては気を付けたい一日…そんな風に考えています。

ご参考になりましたら嬉しいです。